■今回のテーマは「医療イノベーション」
今回の動画は心臓治療に関するエキスパートである大阪大学医学部附属病院心臓血管外科澤芳樹先生が、最先端医療イノベーションセンターが誕生するまでの経緯についてや...
国際的な医療ツーリズムとしての側面を打ち出すためにイノベーション棟の中に国際医療センターを作りあげたエピソードを語っています。非常に興味深いお話でした。
また、IPS細胞によって日本の再生医療はとてつもない高いレベルにまで進化していることがわかり、久しぶりに希望が持てるお話を聞けたので、ワクワクした気分に浸ってます。
しかし、診療報酬がさらに削られることとなり、医師や看護師などの医療従事者の方々はさらに厳しい状況に追い込まれることとなったわけですが、そうした状況にありながらも
澤先生のように厳しい状況を何度も乗り越えながら進化し、それを夢を実現するための力として沢山の人たちと共に一つの夢を形にしていく姿に感謝の気持ちが溢れ出ました。
医療のイノベーションに関する取り組みの支援は積極的に政府も行ってくれているようですが、もう少し働きやすい環境にするためにも診療報酬を数段上に上げて欲しいですね。
そうすることによって、きちんと医療や介護の分野にきちんとお金が流れる仕組みが出来れば、人に優しい国になるのではないかと思っています。
【 出典 】おはようドクター
「〜関西から世界へ、
医療イノベーションが拓く未来〜」
はじめに
「脇浜紀子アナウンサー」
国家戦略特別区域を定める政令が交付され、関西では再生医療をはじめ世界をリードする最先端医療地域をつくるプロジェクトが始まりました。
そのキーパーソンとなるのが大阪府吹田市にある大阪大学医学部付属病院 心臓血管外科の澤芳樹をお送りします。映像は先生先生。
心臓病患者のために足の筋肉の細胞で作った細胞シートを心臓に貼り付ける治療を考案。
世界が注目する最先端医療を研究しています。今日のおはようドクターは、関西から世界へ医療イノベーションが拓く未来をお送りします。
細胞シートによる再生医療とは?
「脇浜紀子アナウンサー」
澤先生は、細胞シートというのを使った再生医療での心臓手術、これを考案されていらっしゃることなんですが、どういう物なんでしょうか。
「澤芳樹先生」
ご本人の心臓を活かしながら、心臓の筋肉を元気にすることで症状を改善すると、こういうのを目標にしているのが再生医療で、足の筋肉の細胞がですね、もっとも心臓にいいということが分かったんですね。
「脇浜紀子アナウンサー」
足ですか?。
「澤芳樹先生」
はい、筋肉の一部を取ってきて、で、筋肉を使うのではなくて実はですね、筋肉の中にある筋の芽の細胞、筋芽細胞と言うんですけど、筋肉になる予備軍みたいな、でもそういう細胞って元気になる因子を出しやすいんですね。
で、その細胞を培養して細胞をシート状にしてですね、心臓の表面に貼らしていただくと、こういうことで細胞シートを使った再生医療というのを2007年から実際に患者さんに応用しているということです。
IPS細胞との関連性はあるのか?
「脇浜紀子アナウンサー」
あの再生医療といいますと、あのIPS細胞というのが山中教授の皆さんよくご存知だと思うのですが、それとの関連性はあるんですか?。
「澤芳樹先生」
IPS細胞ができるようになったことによって、何が出来るかというとですね、色んな細胞を少しずつ培養の仕方を変えていくだけで作れるんです。
例えば心臓の細胞、足の細胞、肝臓の細胞と、ほとんどすべての細胞がこのIPS細胞から作れるようになったんです。
それで再生医療というのが実現しやすくなる、現実性を帯びてきて、まぁかつてはありえないっていう話が本当にリアルワールドになってきてますね。
最先端医療イノベーションセンターが誕生するきっかけとは?
「脇浜紀子アナウンサー」
そういう再生医療を何とか進めていこうというために、この今日来ている最先端医療イノベーションセンターというのが出来たということでしょうか。
「澤芳樹先生」
そうですね、今まで治療できなかった患者さんに治療が届くように、そのような画期的な新しい医療を開発したいと、それも我々のようなアカデミアンとですね、企業とが一緒になって開発しましょうというのがこの建物の仕組みなんですね。
もちろんIPS細胞で今後は色んな臓器が作れるようになっていく可能性が出てきてます。
ですけど身体を治す仕組みを色々研究したがゆえに新しい因子が見つかってくると、それは新しいお薬につながる可能性があると、その役割も非常に大きいんじゃないかと
早めにお薬を飲めば、その病気にならないかもしれないという形でですね、仕組みや治し方が分かってきたらですね、そういう薬がこれからどんどん出てくるんじゃないかなというふうにも思います。
派生的に誕生する新技術に期待
「脇浜紀子アナウンサー」
一つイノベーションにチャレンジすると一つだけじゃないんですね。色々なことに効果があると。
「澤芳樹先生」
そうですね。ですから最初は裾野が大きいとそれだけ失敗も大きいけど、だんだんだんだん積み重なってくるし、そうなってくると相乗効果でよい高さが出てくるというふうに思うので...
関西に世界中から最先端医療を求めて患者が訪れる?
「脇浜紀子アナウンサー」
さぁ先生、関西では、この再生医療などの医療ツーリズムというのも最近よく聞く言葉ですけども、なんか先生のところにも沢山世界から患者さんたちが集まってらっしゃるというお話を...
「澤芳樹先生」
そうですね、あのサウジアラビアからですね、留学生が来ましてですね。
彼をきっかけにしてですね、あの〜彼が大学を卒業した後、患者さんを是非、まぁ僕らと一緒に研究しているんですが、あの〜連れて来たいと、いきなりですね、アラブ人の男性を連れて来て細胞シートの再生医療をしたんですね。
で、そのときにもう大変な混乱がおきまして、まぁそれでもその人達は元気に帰っていったんですけど、いきなりそういう患者さんを病棟に入れるとですね
混乱を起こすので...その混乱がないようにということで、去年からですね、あの〜このイノベーション棟の中に国際医療センター(外国人患者の受け入れなど医療の国際化に対応する施設)というのを作ったんです。
で、ここが通訳の方を要請したり、通訳の方と連携してですね、そういう海外からの患者さんの受け入れをですね、積極的に支援しているんですけど。
サンタランとは?
「脇浜紀子アナウンサー」
なるほど。サンタランという活動をされているそうなんですけど、これはどういう活動ですか?。
「澤芳樹先生」
これはですね、チャリティなんですね、あの私もサンタクロースの格好をしてですね、みんなサンタクロースの衣装を着て全員で集まって、走るもしくは歩くという形でクリスマスにお家で帰れずにですね、難病で病院で過ごしている子供さんにプレゼントを配ると、
みんなも楽しめてお金がそのようなチャリティとしてですね、あの難病で苦しんでいる子供さんを喜ばしていただけたら何よりかなと思っているんです。
夢を持つことの大切さ...
「脇浜紀子アナウンサー」
では、最後に澤先生にお願いがあります。はい、あの未来を担う子どもたちに是非メッセージをお願いします。
「澤芳樹先生」
常にやはり夢を持ってですね、その夢を実現したいがためにどうしようかと、頑張ろうと、それが非常に人を育てていく重要なポイントではないかと思います。
ぼくらあの職業的なことでいうと、やはり科学に興味を持って欲しいですね。なんでこうなんだろうとかですね、どうしてとか、そういうことを一生懸命考えることで...
やはりそれを解決したい気持ち、それから勉強する気持ちが出てくると、まぁ子供さんを含めて人が育つ原点じゃないかと思いますね。
「脇浜紀子アナウンサー」
夢を持つ、はい、私もしっかり夢を持ちたいと思います。どうもありがとうございました。
「澤芳樹先生」
どうもありがとうございました。
終わりに
医療ツーリズムという分野もですね、どんどんリードしようというお話がありました。
今ちゃんと外国の方も受け入れて治療をできるといったところも整えているということだったんですけども、澤先生に伺うと、きっかけが突然連れてきた中東方面の方を治療したのがきっかけだったということで、そのときはかなりの混乱があったそうです。
周りの方も本当に大変な思いをしたというお話がありましたが、でもそれがきっかけでこういった医療ツーリズム海外の方も受け入れて日本の最先端の医療を受けてもらおうと
話につながったということで、やっぱり澤先生って開拓者ですよね。なにかどんどんどんどん何もないところから何か新しい動きを起こしていく、あのバイタリティ、力が本当に素晴らしいなと思いました。