【自分で自分の心の傷を癒す】
どんな悲しみや苦しみも
必ず歳月が癒してくれます。
そのことを京都では
日にち薬(ひにちぐすり)
と呼びます。
時間こそが
心の傷の妙薬なのです。
− 瀬戸内寂聴 −
一つの言葉にキズついて
一つの言葉に後悔し
一つの言葉に気がついて
一つの言葉に励まされ
一つの言葉に涙ぐむ
そして一つの言葉で
幸せになれた。
− ぜんきゅう −
苦労をした人には
それと同じ量の喜び、
ご褒美がくる。
楽あれば、苦あり。
苦あれば、楽あり。
− 美輪明宏 −
あなたは、
あなたであればいい。
− マザーテレサ −
なにか悲しいこと、
辛いこと、
そのほか消極的な
出来事があったら、
努めて「笑う」ように
してごらん。
どうだい、これなら
あなた方でもできるだろう?
− 中村天風 −
どんなに教養があって
立派な人でも、
心に傷がない人には
魅力がない。
他人の痛みというものが
わからないから
− フジコヘミング −
人生で最高のもの、
最も美しいものは
目に見えず、
触ることもできません。
それは心で感じる
ものなのです。
世の中はつらいことで
いっぱいですが、
それに打ち勝つことも
満ち溢れています。
− ヘレン・ケラー −
心に残る傷も自分の一部だと認める
■ 心の傷を受け入れる
心の傷は目で見ることができません。なので傷ついた本人が心の傷を放置してしまうと、誰にも気づかれないまま心の闇に放り込まれます。トラウマにならないためにも、あなたが抱える心の傷から目を背けてはいけません。
人生で新たな一歩を踏み出すにはまず、その傷と向き合うことが大切なのです。心の傷を受け入れるということは、心の傷と向き合い、注意深く観察し、心の傷を解決することは人間にとって当たり前のことなのだということを知ることだとリズ・ブルボーは述べています。
■ 心の傷は隠すと傷はさらに深まる
もしかすると、心の傷は隠すことが一番だと考えているかもしれませんが、痛みを否定すれば、心の傷は時と共にさらに深いものとなってしまうのです。できれば信用できる身近な人に相談に乗ってもらうほうがいいのですが、それが難しい場合は、心が傷ついている事実をきちんと受け入れましょう。
心が傷ついたからといって、他の人よりも良い人間だとか、悪い人間だとか、劣っているとか、優れているというわけではないということを理解し、きちんと受け入れましょう。きちんと受け入れることができたら、あとはきっぱり忘れましょう。
守りの殻に閉じこもることは自衛本能の表れです。しかし、前に進むにはあなたを守ってくれた殻を脱ぎ捨てなくてはいけません。そのためにも過去の嫌なできごとはきっぱり忘れるに限ります。
■ 心の傷はある日突然ぶり返す!
嫌な記憶は寝ることでどんどん小さくなっていきます。ですので、嫌なことがあった場合は、美味しいものを食べて出来るだけ早く寝た方がいいんですが、いつまでも考えてしまうので、中々寝付けません。1日〜2日程度であれば睡眠不足になっても問題ありません。
しかし、睡眠不足の状態が長期化してしまうとメンタルが病みやすくなり、心の傷の原因についていつまでも考え続けてしまい、余計に記憶が強化されて頭から離れなくなってしまいます。そして、そのまま放置すると心と身体がどんどん疲弊します。
『嫌な記憶から離れる努力を!』
また、沢山寝たにもかかわらず、寝不足のように感じるときは肉体ではなく、精神的に疲れている状態にあることを示しています。ですので、嫌な記憶から離れるために考えすぎないことも大切です。できれば二度と考えないくらいの気持ちで嫌な記憶から離れましょう。
本来であれば寝ることによって記憶はどんどん小さくなり、時が経つにつれて心の傷が癒されて快方に向かうはずなんですが、心の痛みが厄介なのは、誰かと一緒に楽しいときを過ごしていても辛い記憶が頭の中で再生されてしまいます。そのまま再生し続けると心の痛みがぶり返します。
ですので、そうした場合も記憶のスイッチを自分で記憶の再生を止めましょう。「それはもう過去のことだから思いださなくても大丈夫」と自分で自分に声をかけながら再生された嫌な記憶から離れてください。そして、考える時間をできるだけ少なくするために好きなことをやる時間を出来るだけ長く確保しましょう。
好きなことや楽しいことをやっていると嫌な記憶から離れることができます。できれば体を使うものがおススメです。スポーツでもいいですし、絵画や手芸などのモノ作りは没頭できるので、あれこれ考えないですみます。
■ 心の傷を癒す方法とは?
繰り返しになりますが心の傷を癒す別の方法として「自分の心の中にあるものしっかり吐き出す」のが良いとされています。そのために、心の痛みと向き合う必要があります。辛い作業ではありますが、そうしないとなぜ自分が傷ついているのか分かりません。
心の痛みを吐き出す手段はいくつかあって、その中で一番手軽なのが日記です。ただし肯定的な言葉を使うのが絶対条件です。恨みつらみを日記に書き綴るとさらに心が病みやすくなるからです。
また、人に話すことで辛い記憶を手放すことができますが、何回も話してしまうと忘れたい嫌な記憶が脳の中で強化されてしてしまうので、余計に忘れられなくなってしまいます。ですので、人に話す場合は信頼できる人に1回だけ話すようにしましょう。
『人に話しすぎないように注意する!』
また、ブログやネットの掲示板に書き込むのもいいですが、もっとも有効なのは同じ体験をした人たちがどのように乗り越えたかを知ることです。同じような経験をされているので、深いレベルで互いの傷を理解できます。
最近ではSNSで様々なコミュニティがあるので、こうしたコミュニティを利用していく過程で次第に心の傷は癒されていきますが、上述した「人に話す」のと同じで、何回も自分の辛かった過去の経験を書き込んだりすると、記憶が定着して、より強固になります。
ですので、「つらい思いをしているのは自分だけではないんだ」と、気づいて孤独から離れるきっかけにする程度に利用するのが一番です。これらが難しい場合は、できるだけ早い段階でカウンセリングを受けましょう。
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